ハチャトゥリアンAram Khachaturian自作自演集

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ハチャトゥリアンの自作自演のCDがある。

曲目は、仮面舞踏会や、ヴァイオリンコンツェルト、ガイーヌといった

彼の代表作がずらり、といった感じになっている。

仮面舞踏会の「ワルツ」が有名になったのは、フィギュアスケーターが演目に

用いたからだが、織田信成選手、浅田真央選手のスケーティングとともに

日本では爆発的といってよいほど、広まったようだ。

パソコンに取りこんであり、今手元にないのでちょっと調べて

みたら、CDジャケットが左側が黒、右が白い背景になっており、

左下には本人の写真、右側にはカリカチュア風のハチャトゥリアンが

描かれている。

とにかくジャケットのインパクトにもつられて買ったこのCDは

「当たり」であった。既に所持しているコンドラシンの仮面舞踏会とは

赴きが違うのもまた楽しい。

ハチャトリアン自身の指揮だから絶対、とは言えないが、

こう演奏して欲しい、という熱意が伝わるような感じに聴こえる。

コンドラシンもかなりダイナミックでエネルギーに溢れた演奏に

なっているけれど、ハチャトゥリアンは曲の権化みたいな演奏だ。

初めて聴いたときのこと。

仮面舞踏会が終わって、次のヴァイオリンコンツェルトになった。

ソロの部分に来て私は度肝を抜かれた。

とてつもなく上手いのだ。もちろんヴァイオリンがである。

オケはどこだっけ…すごいコンマスだなあ…

既にここが信じられないカンチガイであったのだが、

ソロがちょっと入る曲ではなく、ヴァイオリンコンツェルトなのだから、

ソリストがいる、そこが何故か聴いている自分の中から完全に欠落していたのだ。

第一ヴァイオリンの首席かコンマスか…その人がソロパートを弾いた。

それがとてつもないので、とんでもないオケだと思ったのだ。

初めて手にするCDで、演目や奏者に馴染みがあまりない時にも

先に曲目や解説を読まない自分なのだが、この時はさすがに

どうなっているのか、と確認したくなって曲目を見てみた。

ヴァイオリン…オイストラフ。

の文字を目にして自分を笑ってしまった。

それにしても、ここでのオイストラフはすさまじいような気魄と

揺るぎないテクニックでぐいぐいと演奏しているので

とにかく、凄いのである。音も綺麗で技術も高い。

これはヴァイオリニストのトップクラスなら当たり前かも

しれないが、それに音楽をやっている、のが加われば無敵だ。

まあ、こんなカンチガイなら、悪くはないか。

そうして続きを全部聴いたのだが、その最初の印象は、鮮烈で、

そしてその後はもう二度と味わえない驚きを感じたことを

良く覚えている。

好みはいろいろかもしれないが、このハチャトゥリアン自作自演集、

一度聴くことを強くお奨めしたい。

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