つれづれの…

3年 ago roman 0
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五月の終わりにさしかかり、身の振り方など考えたりするような、そんな出来事があったり、

あれこれと雑務をこなすうち、日々過ぎていく、そんな毎日ではある。

そんななか、読んでいる本についてちょっと触れてみたい。

久しぶりに読んだモームの読書案内が余りにも面白かったので、思わず、以前はどんな読み方を

していたのか、と自分に問うてみたほどであった。

モームによると、楽しく読めることを条件にもとめて選んだ、読書案内であり、われわれに共通

する人間性をもっているものを取り上げたとある。

はしがきの終わりに、読書をしないような連中は、考える材料をなにひとつ持ってもいなければ、

いうべきこともほとんどなにひとつ持てるものではないという、ジョンソン博士の言葉で

締められているこの書物は、ものの見方についても示唆してくれるのだ。

わたしには、翻訳に、自分のリズムに合わない言葉が多く使われていたり、意味が通りにくい

表現がしばしば見られ、読みにくさが無いわけでは無かったが、それを差し引かずとも、この本は一読

ならず、何度も読みたい書物である。

確かに私はモームが好きだ。しかしそればかりがこの本を面白いと思った理由ではない。

音楽でもなんでもそうだが、誰かの作品全てが気に入る、などということには、ちょっと胡散臭い

ものさえ感じたりするのだが、そんな風に物事を見るから、余計にモームに興味を持つのかも

知れない。この小説家の優れた短編もぜひ一読をお勧めしたい。

余り読書をすることの無いひとにも、短編ならば比較的入りやすいと思われるが、彼には優れた

短編が沢山あるので、なかなか書店で見かけることは無いかもしれないが、機会があれば、そして

人間性というものに興味をお持ちならば、読むことで何かが見えてくる、そんな要素もあるかと

思われる彼の思想にふれて見て欲しいと思う。

短編集でもとりわけ短い話の多い、コスモポリタンなど、おもしろく読むことが出来るだろうし、

そうこうするうち、中編、長編にも手を伸ばしてみたくなるかもしれない。

読書の楽しみは、なかなか得難いもののひとつだと思う。

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