音楽の可能性

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なにも堅い話ではないのであるが、音楽の可能性というものについて、改めて実感したので、そのこと

をちょっと書いてみたい。

音楽に何ができるか。

そのテーマについて、学生時代に、倫理の時間だったか、そんな課題が出たことがある。

もし世界が滅びるその時に、音楽に残された可能性のようなものは何か、がテーマであったのだが、

滅多に考える事をしない生徒達に、どういう課題を出すのかと、生徒のひとりである私は思ったもので

ある。

今は昔の16歳くらいのことだ。

先日来、ちょっと考えこむ出来ごとがあり、少々、自分の許容量を超えている気がするそれらを、

持て余すような、しっくりこないような、そんな気持ちが、ないまぜになっていた。

そんな時に、バッハのイギリス組曲を聴いた。

自分の好きな、第二番の前奏曲である。

演奏者が誰だったか、ラジオから流れる音をそれ以上、考えずに、ただ、譜面ではなく、音という形か

ら、前奏曲を捉えようとしている自分がいた。

音から入り込んで、バッハの世界の一部をひも解くような、そんな心持である。

そこにはもう、バッハと自分しかいないのであった。

私はその時、ただ、そのためにだけ、存在していた。

そのことで、ふっと、気持ちが軽くなったのである。

それは思いもよらなかったことで、しかし、それこそが音楽のもつ力であり、可能性に繋がるのではな

いか。

そんな風に考えた。

音の不思議を、体感したひとときである。

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