2014年12月29日
冬の旅~再び
凍てつくような、冬の寒さと気持ちを表しているようなシューベルトの歌曲集、「冬の旅」。
足取りも重く、故郷を出る若者は、楽しかった日々をときどきに振りかえりながらも、最後の光明となるだろう
辻音楽師の鳴らす音に惹かれ、その(辻音楽師)(老人)について行くのを暗示する形で終わる。
甚だ大雑把だが、シューベルトが書いた歌曲集の冬の旅は、このような粗筋のうえに書かれた詩に、
シューベルトが音で新たな息吹をあたえ、素晴らしい名曲に仕上げたものだ。全24曲からなる。
午前中の用事を済ませて、不調を感じながら帰宅すると、どうもあちこちが思わしくないように思われた。
食事も摂る気にならない。滅多にないことなのでなんだかいやだなあと思いながら、まだやることが
残っているし、小一時間ほど横になっていれば治るだろうと思った。
うつらうつらして目が覚めると身体が熱い。これはもしかすると…と熱を測ると体温計は38度を
みっちり越えていた。調子が良く無いはずである。
そして水分補給をしながら、冬の旅を聴いている次第である。年末に風邪を引くのもまた一興であろうか。
しんどいことはしんどいが、早めに休んで明日に備えることにする。
「冬の旅」と言わずともリートなど、普段聴く歌曲はバリトンの音域のものは大抵ディースカウで聴く。
このようにだるい、何もしたくないような時にでも、ディースカウの歌声には何度も救われてきた。
類まれな才能と声の素晴らしさ、音楽にたいする造詣の深さ。当代随一のバリトン歌手であった。
このような時に、音楽の、演奏家の力というものを改めて感じたりする。
元気な時ではないから、よけい何かが身にしみるのかもしれない。