蝉と台風

3年 ago roman 0
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台風11号が猛威をふるっている。

私の居住する場所より、随分はるかかなたに台風はおわすのだが、風雨ともに強い。

今はそれがぱったり止んで、不気味な静けささえ感じる。

風雨の合間を縫うかのように、蝉が鳴いている。

低気圧のせいで幾分だるい感覚を持っている自分は蝉のエネルギーは大変なものなのだろう、

などと考える。ちょっと分けて貰いたい、などとも思う。

ちょっと経つうちにまた薄日があたっていたのが、曇りがやや濃くなってくる。

雨のうちには蝉は鳴かずにじっとしているのだろう。

私は仕事の傍ら、バッハを聴いている。

今日聴いているのは管弦楽組曲であるが、バッハの管弦楽曲は比較的、構えずに聴くことので

きる音楽が多いと思う。

構えてしまうのは、自分が鍵盤楽器が専門であるから、というだけでなく、

何か理由がありそうだと思うのだが、みつかりそうでまだ答えは見つかっていないのだ。

もやもやと頭の中にあるそれらを、すっきりと、文字に出来れば気持ちよかろうな、と思う。

尤もバッハの音楽自体は、そんな凡才のぼやきのような悩みには盤石のごとしなのだが。

まだ風はきついが、雨が降らないでいるので蝉は鳴き続けている。

バッハを聴きながら、さらにその「表側」に蝉の鳴き声を聴いている。

そんな台風の一日である。

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