満ちたりて

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駅からバスに乗り換える二階の部分が、広場のようになっていて、そこにはまだ、二週続いた、

ここらでは大雪の名残の雪の塊が、太陽の熱に溶けずにいる。

それでも数日前に通った時よりは減っているのだが、そこに、何やら灰色のものが幾つか見える。

私は永年の近眼で、近頃ではメガネやコンタクトで矯正することも少なくなったので、かなり

近づいてからようやくその灰色のものが、数十羽はいると思える鳩であることに気付いた。

寒さから逃れるためか、固まって、じっとしている。寒いのだなあ、とその脇を通り過ぎた。

鳩も寒いが自分も寒い。早く家に帰って温まりたかった。

帰宅して、手洗いうがいで各種ウィルスを洗い落とし、部屋着に着替えて落ち着いてから、コーヒーを

淹れ、音楽をかける。こんな時はちょっと頭を休めるより、寧ろしゃっきり出来るものが聴きたい。

そう思ってバッハを選んだ。曲は柔らかめの気分も醸し出す、フランス組曲だ。奏者は自分にとっての

必然的なグールド。

グールドについてもいずれ書きたいが、これまた一筋縄ではいかない人物で、ピアニストである。

少し甘い物をつまんで、コーヒーで流しこみ、ゆったりCDを聴いていると、自分が満ち足りていくのを

感じる。

自分の幸せのありかを知っているのは、有り難いことだと思う。

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