【メフィスト・ワルツ】壮絶なまでのホロヴィッツの演奏

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実のところ余り聴かない作曲家であるリストの作品、「メフィスト・ワルツ」。

もう何年前になるか覚えていないが、この曲をホロヴィッツで聴いた時、まさに

度肝を抜かれた思いがした。

魂を吸い取られる感覚を、このピアニストの演奏を聴いておぼえることたびたびだが、

これはまた、慄然とするような種類のものである。

メフィストとはゲーテの「ファウスト」に登場する悪魔、「メフィストフェレス」のことではなく、

レーナウという詩人の「居酒屋の踊り」を「メフィスト・ワルツ」と呼ぶところから来ている。

管弦楽曲でもあるが、独奏曲として広く知られている。

この、まさに「デモーニッシュ」な楽曲が、ホロヴィッツの超絶技巧と変幻自在な音色で

あたかも彼自身が「メフィストフェレス」であるかのように聴くものの魂を揺さぶり、そして

惹きつけるのだ。

私が最近聴いているのは、最後にすさまじいほどの拍手が入る演奏だ。

聴いている最中、まさかこれがコンサートで奏されているとは思えないほどの出来栄えで、

ただただ圧倒されてしまう。

演奏者によって曲というものがこれほど「形を変えて」しまうのだとつくづく思わされる

そんな演奏のひとつである。

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