年の瀬を迎えて

Pocket

年末である。あと数日で来年が今年になる。

自分の生活もまた、平坦ばかりとは言えない感もあったが、無事に年越しが出来そうなのを感慨深く

感じている。

近年になく大変優れた演奏家との出会いがあった。CDでの出会いであるが、こうした新たな出会いは有

難いものだ。指揮者のターリッヒである。自分の感性に何かを呼び起こしてくれるような演奏や楽曲と

の出会いというのは管弦楽やジャンルを超えて本当に貴重なのだ。ここ一年ちょっとになるが聴くたび

に身震いを覚えつつ感動するほどだ。

録音の古さや残されたレコード(バラカン曰くの記録としての意味合いも含めて)の、日本で入手する

には比較的難しいことはあったが、今まで何故知らずにいたのか、自分の迂闊さを痛感するとこ

ろだが、なにしろ音の性質のみならず、音自体にまで変化をもたらすような、レガートさ、柔和さ、

を包括している演奏家の一人なのではないかと思われる。

大抵の指揮者の手に掛ると、激しかったり、勇ましかったりするような曲が、ターリッヒという稀有な

指揮者で包みこまれてしまっているような、とてつもない音を聴いているような感じさえする。

安らぎを覚えたくなるようなとき、曲を選んで、というより寧ろ、「ターリッヒ」を聴きたくなる。

Pocket

Add a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

TOPへ